子供自身なのですその使命

先生たちが工作の好き

向いの子は、バスにでも乗ってお母さんに連れられて来たのでしょう。何人もの順番をおとなしく、母親の隣に、ちょんと坐って待っています。
おとなしく待っている。それもそのはずです。その子は、なにかを夢中に読んでいました。
でいるものがおもしろくて、待っている時間の長さを気にはしていなかったのでしょう。
読んところが、いわずとも良いのに、お母さんが、耳元で、シゲト。もうすぐよ。あのおじちゃんの次。あと、もう三分
それを聞いて、子どもは、読み物の世界から、現実の理髪店へ、意識が戻って来ました。
もうすぐの声で、ほーっと息を吐き、本をたたんで、横へ片付けてしまいましたから、その三分を、あとはひたすら待つばかり。母性から出た自然の言葉あいにく生憎、ちょうど私の頭の上、子どもの向いに、時計がチクタクと変らぬ音をたてていました。三分が過ぎました。でも向うのおじちゃんは、店主に髪を梳いてもらいながら、のんびりと会話を続け、店主はまたまたハサミをもって、手直しをしたり。それから洗髪、そのあとでひげ剃りという手順でしたから、もはやお母さんのいう三分はとっくに過ぎたのに、一向にその子の順番が来そうにありません。
す本の世界に入っている間は、現実の時間など、気にならなかったのに。
これでは良かれと思って子は親に文句をかけた母親のことばが、小さな親切、大きなお世話だったのですね。
待ち切れず、いいはじめました母さん。三分、とっくに過ぎたよ
でもお母さんはまるで無視して、週刊誌から目を離しません。

  • 子供の記録をつけることである。
  • いじめつ子を相手にする
  • 子どもがい

しつけのため

子どもはお尻をもぞもぞ動かし母親の腕を掴んでゆすり、またいいました。

だから、ねえ。どれだけ待ったと思うの。もうしんどいよ。帰りたい!
お母さんは、活字から目を離しもせず、まるでハエでも払うように、
じっとしてなさい!じっとじゃけんと、邪慳に、「だって、さ。
掴んでゆする腕を振り払おうとしたので、じゃどうして三分っていったんだよォ。
そういう軽視のされ方に、子はねえ、どうして三分だよ。三分なんか、とっくに過ぎたよ」
と随分のいらだちですね。子のいらだちを、もう自分の力では治められないと、めているのでしょう。そっぽを向いて、顔つきはいつしか、つんと怒り母親はすでに読「いいよ。
もう帰るからな。
ねえ。
いいの?
母親を混乱におとし入れているような例もあります。
帰るよ。
帰るっていってるんだよ」
気遣い気遣いの抑えた声ながら、まわりの私などの待ち客をハスカイに眺めて、付きで、帰るからな、りました。
親には険しい目どうかしなければならなくな帰る!
と。
もう、これで、ついに母親も、
だったらね、シゲト。今から帰って……といって、このお母さんも、家でいうのとはちょっと違うのでしょうね、あたりにはばかりながら、抑えた声で、でも、この一声で、子どもを完全制覇よ、という自信から、わが子をバカにしきった調子になり
今から帰って、あしたまた、はじめから待つ気?学校で教わったこと言ってみなさい

子育ては人生

といい放ちました。どう?いい返せる?こっちの勝ちでしょう!と、いう声です。
すると、反射的に、シゲトくんは返したのです。

なんにもあしたの話してないわい。今、帰りたいというとるンじゃ!
思わぬ逆襲に、お母さんは思わず、むかっと来て、いささか次の対応には感情がこもります。

だから、いってるでしょうが。今じゃなくって、あしたのことを考えなさい、と
だから、いってるでしょうが。あしたのこというなって。今のことをいっているのに!
だって、あしたのことを考えたら……
だって、今のことをいってるのに……
期せずして、親が、
分からない子ねえ!学校で教わったこと言ってみなさい

学校で教わったこと言ってみなさい

子は、分からソ親やなアー
同時に、相手は話にならない、分からン相手だと、断を下しあったのですね。
ああいえばこういう。話の行方どこへ
互いに腹いせはつのるだけつのっています。子どもは元に戻って、やっぱりもう一度、もうオ。帰りたいよオ
すると、母親は怒った調子で帰りたけりゃ帰りなさい。あしたは自分ひとりでいらっしゃいね。ついて来てやらないから

ついて来てなんか、いりませんよーだ
は、ついてなんか来てやりませんよさ子は、しばらくひそんでから、奇襲作戦です。語調がすっかり変っています。脅しの口調で、
こんな遠いところ、ひとりで来れソじやソか。来ていいのかよ、ひとりでほらごらん、という勝ち誇り。
うしてついて来てやったものの、ひとりで来させるのは、確かに本来は禁止。だから、きょうもこどうせひとりでよう来ソくせにと高を括って、母親はいう。


母性から出た自然の言葉 子どもたちの面倒 子どもの本質を理解する